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楽しいリノベーションのお仕事
こんにちは!
小牧です。

今回は私が担当し、先日セルディビジョンのworksに追加された


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「ヒルトップマンション」は横浜の天王町にあります。

天王町は活気ある松原商店街があり、昔ながらの喫茶店があったり、
新しいおしゃれなパン屋さんや美味しいご飯屋さんもあったり、
新旧がちゃんと同居していて活気のあるとても素敵な住みやすい街です。
(個人的オススメは月一である橘樹神社アンティークバザール!宝探しが超絶たのしいです)

そんな天王町に約半世紀前に建てられた「ヒルトップマンション」。

歴史を刻んで古くなり、
初めて見学に行った時はなんとも言えない暗〜くてこわ〜いホラーな雰囲気を醸し出していました。

そんなマンションをリノベーションで、
住む人の生活を変えるような新しい価値を創り出せないだろうか!?
マンションに住む人だけでなく、周りに住む人をも巻き込んでいくような環境を作り出せないだろうか!?!?

そうした想いで始まったのでこのプロジェクトだったのです。


セルディビジョンの役目は、
天王町という町にある「ヒルトップマンション」によりそい生活に溶け込むサインデザインを生み出すこと。

私たちは「時代の営みを感じる優しいベーシック」というコンセプトで
ヒルトップマンションの、時代を感じる佇まいに馴染む、どこか懐かしさを感じるデザインを提案しました。
そのため、古いビルの看板などでよく見られる、機械彫刻用標準書体をベースにデザインしています。

この書体は彫刻機で掘られることを前提に設計されているので、
直線的なのに端っこが丸くなっていたりと、独特な形でちょっとした愛しさを感じる書体なのです。


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実は、このサイン、施工も我々で行いました!
その時の様子もご紹介しますね〜


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(第1筆目を慎重に進める服部さん)


施工方法はすこぶるアナログな手書き!

施工どうしよう?職人さんに頼むと予算がどうなるかわからないよ?
仕上がりもどうなるかわからないよ?
それなら自分たちで書いちゃった方が楽しくない?
手書きの方が手作りでハートフルでほっこり感出るよね!!!

という半ばノリ(スミマセン)で手書き施工が決まったのですが、
本当はこんなこと初めてで、ドキドキの施工でした。
でも、第1筆目が意外と綺麗にでき、いいじゃん!いいジャ〜ン!よしこの調子で行くぞ!
と、ここから作業はどんどんスピードアップしていきます。


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(カーボン紙で下書きし、ペイントしていくというなんともアナログで地味で楽しい作業)

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(壁は凸凹のところがあったり、結構難しい作業なのです)

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(せっせと仕上げていく職人・服部)

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(せっかくなので私が書いているところも。小牧→下書係、服部さん→ペイント係の役割分担で進めました)

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(夜も黙々と作業を進めます)


実はサインのデザインだけでなく、共有部分に設置する照明のチョイスもしました。
ベーシックだけどインダストリアルでレトロな雰囲気のある照明です。
照明を設置することで、暗くて怖い雰囲気もうまく払拭。


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(夜の見え方もいい感じです)

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(高いところのサインは看板職人さんに協力していただき書き上げました!)

ヒルトップマンションの最大の特徴は、
住人が使えるお洒落なシェアキッチンがあること!

その名も「まきこむキッチン」。


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素敵ですね〜
このキッチンは仲間同士でパーティーをしたり、お茶をしたり、
映画上映会をしたりなどいろいろな活用方法ができる素敵な空間です!
ちなみにここの壁の塗装も手伝いました。
自分たちでなんでもしてしまいます。DIYの精神ですね!


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実際に、まきこむキッチンでプロジェクトメンバーみんなで忘年会兼打ち上げを行いました!


このプロジェクト、
大変なこともいろいろあったけれど、
いいクライアント、いいプロジェクトメンバーに恵まれ本当に楽しかったし、いい経験になったし、
何よりいい仕事にすることができました!

またこのメンバーで、ドキドキワクワクするものを生み出したいなぁ、
そう思える関係になることができました。


ちなみに、ヒルトップマンション、空室あと一つ!

物件の詳細・お問い合わせプロジェクトメンバー・NENGOさん率いる仕立てる賃貸さんまで!

なんと!仕立てる賃貸は自分好みに部屋を仕立てることができるのです!
お部屋にこだわりたい方はぜひぜひ覗いてみてくださいね!

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(仕立てたお部屋の一例です!良いお部屋〜!住みたい〜!)

サインデザイン、空間デザイン、リノベーションのお仕事、
とっても楽しかったのでそれ系のお仕事は小牧まで!←
ぜひよろしくお願いします!

投稿者 celldivision:10:42 PM | Comments(0)
夏のお土産
コミックです。


夏が終わりましたね。
まだまだ暑かったり、台風が来たりしていますが。



先日、夏最後の一大イベントに行ってきた清水さんから
チームのみんなにお土産がありました。

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富山の薬。



可愛いですね〜このパッケージ。
薬って無機質なパッケージが多い最近ですが、
こんな昔ながらのパッケージは味があって逆に体に良さそうでいいですね。


清水さんによると効能は「めっちゃいい」らしいです。


薬がお土産になるなんて、富山ならではで実用性もあって流石。


使いたくてうずうずしますが、
使う日が来ないよう努めたいです。




秋になって、涼しくなてきたから私も旅に出たいな〜

と思うコミックなのでした。
投稿者 celldivision:10:58 AM | Comments(0)
クリエイティブデザインセンターについて
こんにちは、こみっくです。

実は私、セルの運営するCDC(クリエイティブデザインセンター)の担当をしております。



CDCとはなんぞや???



そんな方に本日はCDCについてご説明したいと思います。



top_img2.jpgのサムネール画像

ーCDC(クリエイティブデザインセンター)は、神奈川県横浜市の
  さまざまなクリエイターが集まるオープンシェアオフィスです。

セルへお越しいただいた方はご存知かと思いますが、
実は広い事務所の半分をシェアオフィスとして活用しております。

そのシェアオフィスがCDC(クリエイティブデザインセンター)なのです。
なぜ「クリエイティブ」かと申しますと、
入居していただいている方は「クリエイティブ」な方ばかりだからです!

フリーランスのイラストレーター、建築家、コピーライター、写真家などなど...
上の写真はオープン当初の写真で、現在は8名のクリエイターが在籍し、日々CDCにてお仕事をされています。
様々な分野のクリエイターが集まっているため、皆様分野を横断してお仕事が生まれることもあるそうです。
そして、セルからもお仕事を依頼することも度々あるので皆様には大変お世話になっております。

オープンでフラットな空間なので横のつながりも多く風通しの良いオフィスですよ♪


みんなでスイカ割りをしたり...
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たこ焼きパーティーをしたり...
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ハイキングに行ったり...
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そしてお花見にも行ったり!
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みなさん気さくな方ばかりで、CDC運営スタッフの私も毎日楽しく過ごさせていただいております。
また上記のような楽しいイベントを催したいな〜



CDC、気になったかたはぜひぜひ遊びに来てくださいね♪
見学大歓迎です。

実は今月末までですが、入居をお考えの方に向け、
女子割」キャンペーンもしておりますのでご質問がございましたらお気軽にどうぞ〜!




投稿者 celldivision: 3:30 PM | Comments(0)
芸術の秋ですね
初めまして、
今年の3月よりセルディビジョンに入社しました、小牧と申します。
セルではなぜか、「コミック」や「コミ太郎」と呼ばれています。
どうぞよろしくお願いいたします。




今回は、秋も深まり、「芸術の秋」ということで
先日のシルバーウィークで私がお邪魔したTokyo Art Book Fair 2015について書きますね。


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まず "Tokyo Art Book Fair" とは...
 THE TOKYO ART BOOK FAIRは,2009年にスタートしたアート出版に特化した日本で初めてのブックフェアです。
 
 年に一度のペースで開催し,個性豊かなアートブック,カタログ,アーティストブック,
 そしてZINEなどを出版するアーティストや出版社が一同に集結する場所として着実に成長し,
 アジアで最大規模のアートブックフェアとなっています。毎回,国内外の出版社やギャラリー,
 アーティストら約300組が出展,3日間のイベントながら,1万人以上の方にご来場いただいています。
 
 先進的なブックメイキングを続けるアーティストや出版社が作る魅力的な出版物で彩られたブースのほか,
 特別展,トーク,スクリーニングなどさまざまなイベントを会期中に開催しています。
 THE TOKYO ART BOOK FAIR は,アジアにおけるアートブック文化を牽引するフェアになることを目指し,
 ユニークな進化を続けるアートブックの世界観を体感することができる機会を創出しています。
 (-Tokyo Art Book Fire 2015公式サイトより引用)



という、要するに自分の作品を自費出版したり、
または本を作品の媒体とするアーティストたちが中心になり催す本のお祭りのようなものです。
そしてアーティストだけでなく、書店や印刷会社、製紙業、インキ製造業の方なんかも参加し、
新しい「本」の形が見れたり考えれたりするイベントなのです。

近年、電子書籍が主流になる動きの世の中で、とてもプリミティブなイベントだなぁと思います。



今回私が一番目当てにしていたのは、
オランダのブックデザイナー Irma Boom(イルマ・ボーム)さんの講演会です。

 Irma Boom / イルマ・ボーム

 アムステルダムをベースに活動するグラフィックデザイナーで、主にブックデザインを手がける。 
 イルマ・ボームはエンスヘーデのAKIアートアカデミーでグラフィックデザイ ンを学び、卒業後、
 ハーグにあるオランダ政府の出版印刷部門で5年間勤務。1991年にイルマ・ボーム・オフィスを設立、
 文化関連、商業関連のデザイン を国内外問わず手がけ始める。これまでに手がけたコミッションワークは、
 アムステルダム国立美術館、実業家パウル・フォン・フリンシンゲ ン (1990-2006)、インサイド・アウトサイド、
 ニューヨーク近代美術館、クラウス王子基金、プラダ財団、マセラティ、ヴィトラ、NAi出版、国連、 
 OMA/レム・コールハース、王立ティヒラー・マッカム工房、アガ・カーン財団、イエール大学出版部、
 バード大学院、サーペンタイン・ ギャラリー、テー ト・モダン、シャネルなど。
 1992年以降はアメリカのイエール大学でシニア・クリティックを務めており、
 世界各地でレクチャーやワークショップ を開催している。
 これまで手がけたブックデザインで多くの賞を受賞しており、その活動が認められ、
 栄誉あるグーテンベルク賞を歴代最年少で受賞。
 2014年のヨハネス・フェルメール賞(オランダ王立芸術賞)を、教育文化科学大臣の
 イェット・ビュッセマーケルから授与されている。選考委員会は、全会一致でボームを推薦、
 グラフィックデザインにおける彼女の比類なき活動が認知された結果といえる。
 (-Tokyo Art Book Fire 2015公式サイトより引用)


イルマの作品は、その20%がNYCのMoMAに所蔵されていることでも有名です。

彼女の存在を知ったのは学生時代の事なのですが、
彼女のデザインした書籍に実際に見て触れただけでファンになってしまいました。
彼女のデザインには人を惹きつける数々の「仕掛け」が施されているのです。

今回、来日ということで、これは行くしかない!と定員制の講演会に即応募。
行ってまいりました。

彼女の講演会の全貌を語ってしまうと長くなってしまうので、
印象的だった作品を1つピックアップします。


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Source: http://www.typographischegesellschaft.at. License: All Rights Reserved.


Sheira Hicks : Weaving as Metaphor
−シーラ・ヒックス『ウェービング・アズ・メタファー』


パリ在住の「編み」が主なテキスタイルアーティストの作品集です。
シーラがアメリカの出版社から作品集を出版する際に、直接イルマにデザインを頼んだそうです。

こちらの本の大きな特徴をあげますと、

❶表紙が「白」く、彼女の作品がエンボス加工で印刷されており、本来表紙に載るべき作品写真は裏表紙に入っている
❷本の天地、小口部分の裁断が切りっぱなしの布のようにギザギザしている
❸中の文章部分の組みが読み進めるに連れ、フォントが小さくなっていく

など...本当はもっとありますが。
今回の講演会で、彼女はなぜこのようなデザインにしたのか、出版までの裏話を教えてくれました。







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Source: http://designblog.rietveldacademie.nl. License: All Rights Reserved.

❶表紙が「白」く、彼女の作品がエンボス加工で印刷されていることについて

 本来、本の表紙といえばほの本の「顔」と成る部分なのでその本の内容がわかる写真なり、
 タイトルなりがわかりやすく印刷されるものなのですが、彼女はそうはしませんでした。

  「シーラの作品は、あらゆる人に見て貰うべきものだと感じました。
   もし、作品のテキスタイルをそのまま表紙にしてしまうと、
   その分野に興味のある人しか見ない本になってしまうと思ったのです。」








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Source: http://www.flickr.com. Image via David Cabianca. License: All Rights Reserved.


❷本の天地、小口部分の裁断が切りっぱなしの布のようにギザギザしていることについて

 本の天地、小口とは背表紙についていない部分のことです。(めくれる部分、本の中の紙の部分です)
 普通の本であればめくりやすいように、直線に断ち切られる部分ではありますが、
 この本に関してはビリビリと破ったようにギザギザしています。

  「シーラと話をしていて、彼女が『自分の作品は端がとても重要』と言っていたことが印象的で、
   作品集自体にもその特徴を生かし主張すべきだと思いました。
   私は、本とは、シンプルでいて、本質を表現するものでなくてはならないと思います。」









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Source: http://www.flickr.com. Images via David Cabianca. License: All Rights Reserved.

❸中の文章部分の組みが読み進めるに連れ、フォントが小さくなっていくことについて

 読んで文字のごとくです。普通の本であれば、フォントは最初から最後まで均一なのですが...

  「これは、彼女が書いた文章の初めの言葉がとても重要だと思って、目立たせたかったので大きくしました。
   そして文章を読んでいくうちにどんどん本にのめり込んでいくことを誘発するために
   どんどん文字を小さくしていきました。」







ここまででもイルマのブックデザインの特異点は十分わかっていただいたと思うのですが、
やはり普通の本ではやらないデザインについて出版社とはかな〜〜〜りもめたそうです。

まず、出版社は汚れる白い本を出版したがらない。
本の売れいきやわかりやすさを気にして、表紙は白くなんてしない。
コストがかかりすぎる紙の加工はもってのほか。
そしてフォントがバラバラな本なんか普通じゃないし、シーラが気にいるはずはない。彼女は「嫌」というだろう。
(結局、それは出版社の早合点でシーラ自身は気に入ったんだそうです)

出版社の言い分も十分わかるものではありますが、彼女は自分のデザインを信じ、押し通しました。
そうして出版社とは、途中で音信不通になってしまったこともあったとのこと。
でも、彼女はシーラとともに、彼女の世界観を表す作品集のデザインを続けたんだそうです。


  「デザイナーとは、自分が信じるものがある場合は、
   時にそれを守り抜くために戦うべきだと思います。」


その姿勢に出版社も折れたのか、上記の特徴を持った「特異」な作品集は出版され、
その出版社の中でも一番売れるベストセラーとなったそうです。









彼女のデザインのすごいところは、
本の内容で面白いと思った要素を、シンプルに大胆に表現するところだと思います。
そして本を読む人のことや、状況、読んでいく時間軸など様々な要素を加味しながら
デザインされているためその大胆さが全て納得できるところです。

こればっかりは実際手にとってみなくては、十分説明することはできません。
機会があれば、彼女の作品を、ぜひ手に取っていただきたいと思います。







そういえば、今回のTokyo Art Book Fair 2015では実際に彼女の本を手に取ることができる展示ブースがありました。
初期の彼女の本は、もうなかなか手に入らない状況の中、100冊を超える作品が並ぶ展示は感動ものでした。

こちらは彼女の一番最初の作品。

Nederlandse Postzegels(1987)

和綴じ製本で、文章の縦横が混在していたり、
本の小口まで印刷が及んでいたり、
本来はめくれない裏紙の部分にまで印刷が施されています。

彼女曰く「このころは若かった...」とのことで、もう今の彼女にはできないデザインなのだそうです。

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Every Thing Design: The Collections of the Museum of Design Zürich (2009)

今回は彼女の作品のプロトタイプも展示されていて、それもなかなかないことなので、とても良い展示でした。
私も実物を持っているチューリッヒデザイン美術館の所蔵品集のプロトタイプも置かれていて感激。

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MoMAに所蔵してある彼女の作品はこちらから見ることができます。
言語もわからないのにこんなにワクワクさせてくれるなんて、
書籍の電子化が進む中、彼女の作品は電子化では得られない体験や楽しみを与えてくれます。

私の拙い英語力ではまだまだ聞き取れないところもあり、
上記の和訳も拙くて申し訳ありませんが、
講演会に行ったことはとても有意義なお休みの過ごし方でした。

芸術の秋を満喫してきた小牧でした。




投稿者 celldivision: 3:21 PM | Comments(1)